2008/6/25 (Wed.) 12:29:42 (マニュアルがあれば・・。いや、よそう。 こんな普通じゃない発想は。もうそんな歳じゃない。)
ただ惰性で生きる毎日を過ごしていた。 そんな折りだった。上司に客先説明用のマニュアル作成を頼まれたのは。 こんなに気持ちが高ぶったのは何年ぶりだろう。楽しい。 今日は上司に渡してあるマニュアルを評価してもらう事になっていた。 嬉々として上司と対面すると待っていたのは激しい怒鳴り声だった。 何を言われたのか良く覚えていない。 ただ自分の中にあった唯一の自信が無くなっていた。もともと仕事ができるわけではない。周りとの能力の差に打ちのめされていく中、悲観的にならなかったのは心のどこかでマニュアルが支えになっていたのだろう。できそこないの自分自身を保つためには、そうせざるを得なかった。 いま最後のストッパーが壊され、しだり川には何も残っていなかった。薄々感じつつも、意識したくなかった事実。
(私は何の役にも立たない人間だ)
結局、マニュアルは後輩が作る事になったらしい。
(私は本当に無価値な人間だ。今までの私の人生は何だったんだろう・・)
できる事ならまた高校時代に戻りたかった。 (小夏さん、懐かしいな。モリタはいま何をしているんだろう。高遠・・) 高遠とは今でも会っている。高校の頃はバカにしていたが、 大人になるにつれ次第に彼女を尊敬するようになっていき、 いまでは唯一親友と呼べる存在になっていた。 自分は今まで悩みがあっても人に打ち明けた事はない。 相談する事は弱い行為だと思っていたからだ。 だがこの日ばかりは気が滅入っていた。考えなしに高遠に電話をかけた。 就職してからは2か月に一回会う程度になってしまったが、それでも彼女との会話は楽しかった。 今日あった事は一切話さなかった。 (高遠に自分が悩んでいる事を知られるのは恥ずかしい) ただ週末に遊ぶ約束をした。 電話を切った後、心が軽くなっていたのが、ハッキリとわかる。 高遠がいて良かった。
ふと携帯を見るとメールが一件入っていた。 見ると高遠からで[あなたの良いところ]という件名で私の長所がいっぱい書いてあった。 どうしてわかったんだろうとは考えなかった。ただその夜は声を出して泣いた。
Re:- 2008/6/25 (Wed.) 19:34:48 しだり川×高遠 好きだから嬉しい
Re:- 2008/6/26 (Thurs.) 00:45:52 なける
Re:- 時空省 2008/6/26 (Thurs.) 15:26:34 あたたまる いい話
Re:- 2008/6/26 (Thurs.) 16:52:26 良かった いい話だ
Re:- 2008/6/27 (Fri.) 14:02:34 高遠いい子だ… |